黒ニンニクは作った方が得か、買った方が得か。

 生のニンニクは、アメリカ国立ガン研究所が発表した「デザイナーフーズ計画」の中で、127種類の野菜・果物の中でガン予防機能性フーズのトップに選ばれまし た。そして、その生ニンニクを高温・高湿度雰囲気中で熟成(:私は、発酵や化学反応などにより、元の食品がその食味と栄養分を大きく増す変化であると理解しています)して作られる「黒ニンニク」は機能成分が元のニンニクの数倍以上に高まり、味は果物のプルーンのような甘酸っぱいものになります。また、あの嫌われもののニンニク臭さも消失する優れものです。黒ニンニクの効能を知って味わうとやみつきになる人が多いのも特徴的な事実です。しかし、黒ニンニクを事業生産する設備は高額なために、商品としても高価であり、日常的に食べ続けることは大変です。それでは、、熟成過程で発生する強烈な臭いを我慢し、隣家や家族の苦情を覚悟して作るのであれば、保温機能付きの家庭用炊飯器にニンニクを入れて、保温スイッチをONにするだけで15日後には黒ニンニクを味わうことができることを知ったならばどうでしょうか。つまり、作ってでも食べたいですかということです。
 私は3年前から、源流の限界集落越中八尾桐谷に目立つ放棄田を有機栽培による稲圃場に再生するNPO法人アイ・フィール・ファインの活動に加わり、野菜と果物の有機栽培に取り組んできました。栽培するものは、イノシシやタヌキなどによる獣害が少なく、豪雪地帯であるこの山里の栽培条件に合った玉葱やニンニクを農薬と化学肥料は使わず栽培しています。手前味噌ではありますが、この土地の自然条件はニンニク栽培に適しており、青森のブランドものに見劣りしないものを育てることができると自信を持っています。そのニンニクの一部を使い、黒ニンニクの自家加工も始めました。しかし、財務に疎く、今まではコスト計算もいい加減にやっていたから驚きです。ほぼ自家消費だから済んだのですが・・・。
 そこで、今後は定期的に販売する予定もあり、1個当たりの作成コストがどれ位になるか概算してみようと思います。ただし、ここではニンニクは購入するものとします。
 炊飯器には強烈な臭いが付着するので、専用のものを用意する必要があります。容量1L程度の中古の炊飯器を6000円で購入しましょう。
 中国産のニンニクは敬遠して、国産ニンニクの最高品種「福地ホワイト六片」で作ることにします。その黒ニンニクを毎日1片食べるとして、Mサイズ60玉(360片分)を9000円で購入します。
 炊飯器の容量1Lですから、最大20玉ずつ3回に分けて熟成加工しましょう。その場合の1玉当たりの加工費用は、保温時の消費電力量を1時間当たり25wh,1kwhの電気料金を30円として、((25w×24h×15÷1000)×30)÷20=13.5 円 が見込めます。予想外の低コストです。本当かな? 信じられない方は、ご自分で検証をお願いします。
 そこで炊飯器の減価償却期間を1年として、黒ニンニク1玉のコストを計算すると
(6,000円÷60玉)+13.5円/玉+(9,000円÷60玉)=263.5円/玉 になります。
 自分で食べるのですから、プロが作るものと同じ味は求めませんし、係わる労賃は0円とします。
 また、販売されている黒ニンニクの価格はネットで調べると大半が1玉500円強のようです。
 さあ、あなたならば、黒ニンニクは作って食べますか、それとも購入して召し上がりますか。
 
 (デザイナーフーズ計画関連サイト  http://kenkou.happippi.com/pyramid/