畑に水を入れて落とす

太陽から達する炎熱の放射は、太平洋高気圧の勢力を維持し、水銀柱の真夏日
ラインをいとも簡単に制圧する。
芋達は葉を垂れて蒸散面積を小さくし、灼熱の大気に防戦一方だ。
芋達の喘ぎを静め、光を思う存分浴びる元気を取り戻すのは水、その水を畝間
に入れるために、朝6時に圃場にやってきた。
水やりはもっと早い時刻、気温の低いうちが勝負とS井さんから助言を受ける。
水やりするにも、学んでおくこと、知っておくこと、確認しておくことが一杯
ある。簡単なことではないが、事前に全てを掴んでおけとのご忠告は道理であ
る。
圃場の取水口の止め板を外すと静かに水が畝間に広がって行く。これでよしと
思ったところに、こんな弱い流れではいつまで時間がかかることかと気を揉ま
れて、S井さんから辛口の助言・・水路上流の置き石を置き換えて、水流は合格
の勢いになった。


入れ始めてから1時間弱で畝間の全てに水が行き渡った。もったいない気がする
が、ここで直ちに水を落とす(水を抜く)。こうすることが根に最もよいらしい。


取水口の止め板を再び差し入れて水を止め、排水口の土嚢を外して水を落とした。

芋達が元気を取り戻したことは、葉の張り具合から分かる。